退職金制度がある会社は一度、確認をしてみませんか!
本日もオンラインで3社と打合せ。
午前中は退職金制度の設計について、オンラインで打合せをしました。
4回目の打合せとなり、方向性や金額設定、ルール等はかなり整備できてきましたが、社長は最後の決断にかなり迷われています。
社員想いの方なので、良い制度を整備し、社員に公表し、安心して働ける会社にしていきたいとの考えは変わらないのですが、制度として規程にすると会社としての責任、将来債務が確定することにもなります。
迷うのは当然であり、次回は全社員を対象とし、
・現行制度での定年時退職金額を試算
・新制度で定年時退職金額を試算(入社時から新制度で運用した場合)
・新制度で定年時退職金額を試算(切替時まで現行制度、切替後は新制度で運用した場合)
をシミュレートし、検討することとなりました。
退職金制度を整備されている会社も多いのではないでしょうか?
社歴の長い会社では昭和、平成時代から規程の見なおしや、将来の退職金試算をしていない会社が多々あります。
特に、「社員数100名~300名くらいの規模で昭和から平成初期に創業している会社」が将来リスクを潜在的に抱えていると感じています。
このクラスの会社は、バブル期に新卒採用ができず、バブル崩壊後に新卒採用を進めた結果、その後も景気の低迷が続いたことで、プロパー40代社員の構成比が高い傾向にあります。
また、退職金規程も見なおしができておらず、退職時基本給に勤続年数や勤続年数に応じた支給係数を乗じて計算する方式を採用している場合、早ければ5年後から退職金リスクがやってきます。
ここでいう、退職金リスクとは、各年度で支給する退職金額が経営を圧迫することを指します。
この規模の会社では、従来、中途入社や自己都合退職が多く、1人当たり数百万円程度の退職金支給が通常だったこともあり、退職金の積立や準備をあまりしていないことがあります。
しかしながら、これから5年~10年後には、新卒入社し離職することなく、社内で管理職等を担ってきたプロパー社員の大量定年が発生します。
1年に3名~10名程度の定年退職者が出ると、退職金額は一気に数千万円に膨れ上がります。
それが、波のように10年程度続きます。
退職金制度の見なおしを依頼される会社のほとんどがこのような問題を抱えていました。
1年でも早く手をうち、資金準備を進めること
退職金対策は時間との闘いです。
将来の定年者一覧等を作成している人事担当者はよく出会いますが、退職金まで確認していることはほとんどありません。
是非一度、退職金リスクを試算してみましょう。
備えあれば憂いなしです。
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投稿者プロフィール
- アパレル会社勤務後、2000年、中小企業診断士資格取得と同時にコンサルタント会社に転職。営業(販促)支援、個別対応型管理者育成、業績管理制度構築・運用といった現場実戦型コンサルティングを中心に中小企業の支援を行う。その活動の中、経営者の方針=想いを実現させるためには従業員がやりがいを持って働ける環境を整備することが不可欠であると痛感し、会社と社員が共存共栄の関係を築ける「人事制度改革」に特化した中小企業支援を自らの専門領域として確立する。